「そのままでいいよ」があるまち(中嶋 真由美)

瑞穂のヒト

好きなものを、好き!」と胸を張って言えること。

それって、性別や年齢、どんな立場の人にとっても、
人生を自分らしく彩るための大切な「心の核」だと思っています。

可愛いものが大好きな男の子。かっこいいものに憧れる女の子。
大人だって、いくつになっても「これ、いいな!」と思う気持ちはワクワクする宝物です。

でも、ふとした瞬間に「女の子なのに」「男の子らしく」なんて言葉で、
その大切な「好き」に、
本当の気持ちが【恥ずかしい】と思ってしまい、
自分を出せなくなることがあります。

実は我が家の3番目の次男ちゃんは、可愛いものが大好きな男の子です。
2歳半頃、「むーしゅんで(髪を結んでほしい)」と言うようになりました。
当時通っていた、さざんか保育園(小規模園)の先生たちは、
次男ちゃんの「これが好き」「可愛い」と思う気持ちをごく自然に受け止めてくれました。

私が暮らすこの瑞穂区で、子育てを通しながら気づいたことがあります。
まちづくりって、土木や建設だけではありません。

そのままで大丈夫だよ」「あなたの『好き』を大切にしていいんだよ」と、

誰かの気持ちを受け止めること。
そんな優しいまなざしを広げていくことこそが、
本当の意味での「まちづくり」なのではないか、
そう感じるようになりました。

今回は、そんな次男ちゃんを育てる中で経験した、
私たち家族の日常についてお話ししたいと思います。

地域で見守る「その子らしさ」

「まちづくり」というと、なんだか建物を建てることのような、大きなことに聞こえるかもしれません。

でも、三人の子どもを育てながら日々を過ごす中で、私は確信しています。
まちづくりとは、誰もが自分らしくいられる「安心できる場所」を、
地域のみんなで守り育てていくことなのだと。

当時通っていた「さざんか保育園」では、
次男ちゃんのような男の子も、スカートを履きたい男の子も、みんながごく自然に輪の中にいました。

誰も特別扱いせず、
「その子らしさ」を宝物のように大切にしてくれた先生方には、
今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

その後、年少組から通った「黎明保育園」での出来事も忘れられません。
次男ちゃんが大切にしていたピンクのクロミちゃんのお昼寝毛布を、
「男の子なのにピンク?」とお友達に言われてしまった時です。
(お友達は何の悪気もありません。)

担任の先生はすぐに子どもたちに、
何色が好きでもいいんだよ。みんな自分の好きなものを大切にできるといいよね」 と、
話してくださいました。
そういった日々の言葉がけが、どれほど次男ちゃんと私の心を軽くしてくれたことか。

小学校への入学前には、
保育園の先生方がとても丁寧に申し送りをしてくださいました。
保育園では子どもたちの『これが好き!』という気持ちを大切に育ててきました」と。
学童の入所説明会では、指導員さんが 「なーんにも心配することないよ」 と言ってくださり、
その言葉通り、お友達の間でも、次男ちゃんはそのまま受け入れられています。

地域に理解者がいてくれる心強さ。
その温かい土壌が、次男ちゃんの心を真っ直ぐに育ててくれています。
もちろん、小学校に入ってからは、
次男ちゃん自身が選んでジェンダーを問わないシンプルな服(主にユニクロ)を着るようになりました。

学校で何かを感じたのかもしれません。 それでも、あんなに大切に「好き」を貫いた経験は、きっと次男ちゃんの心の深い場所に根付いていると信じています。



あなたのまちに、「そのままでいいよ」がありますか?

多様性なんていうと難しく聞こえるけれど、誰かの「好き」を否定せず、「いいよね」と微笑み合う。
そんな優しい日常の積み重ねが、この瑞穂区をもっともっと素敵な場所に変えていくのだと思います。

道路を整えるのと同じくらい、人の心も優しさで満たしてあげたい。
皆さんの住んでいるまちには、どんな「そのままでいいよ」がありますか?

私は、次男ちゃんを育てながら、この瑞穂区でたくさんの「そのままでいいよ」に支えられてきました。
まちづくりとは、建物をつくることだけではなく、人を支えること。
誰かの「好き」を守ること。
そして、誰もが自分らしく生きられる居場所を、みんなで育てていくこと。

私は、そんなまちづくりを、これからもこのまちの皆さんと一緒に続けていきたいと思います。

中嶋真由美

親子で地域活動を通して、人と人がゆるやかにつながる場づくりに挑戦中。
多世代が関わり合えるまちを目指しています。

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